2018年の読書ベスト10

2018年の読書ベスト10を考えてみました。


1) 『ぼくはパン』

かねこあつし かねこやすこ

Blood Tube Books

真っ白な表紙に金色のパンくん。

社会人になってから初めて買った絵本。

食パンという日常良く食べるものを主人公に、切なくあたたかい物語が大好きだ。


2) 『でも、ふりかえれば甘ったるく』

シネボーイ/PAPER PAPER 

大阪のスタンダードブックストア心斎橋店で買った思い入れのある本。

初めて自分で新刊を仕入れた本でもある。

読み返すごとにいいなあ、と思う場面は違ってきて、その違いも含めて楽しみたい。


3) 『ワイルドフラワーの見えない1年』

松田青子

河出書房新社

ひねりが効いた言葉の数々に驚かされる。

1度読んだら忘れられない。

「ボンド」「女が死ぬ」「週末のはじまり」

楽しくて毒っ気があってとにかく好きだ。



4) 『文士の時代』

林忠彦

中央公論新社

誰でも知ってるような文士たち。

部屋の様子や皺のつき方、林さんとのエピソードを読むことにより、確かな輪郭を持ち始めた。

山本周五郎が〆の写真に。

笑顔の奥に隠された心情とは。


5) 『 断片的な社会学

岸正彦

朝日出版社

今まで読んでこなかったことを後悔。

そして読めたことに感謝したい。

考えてもなかった思考を付与してくれたこの本に出会えて嬉しい。


6) 『熱帯』

森見登美彦

文藝春秋

物語が物語を呼び込み、摩訶不思議。

まさに快作、怪作で小説の醍醐味を感じた。

突き抜けた面白さ。


7) 『観光』

ラッタウット・ラープチャルーンサップ

早川書房

タイを舞台にした小説は初めて読んだ。

この作品は本当に胸に突き刺さる。

未来を皆まで言わず、想像させるのも憎い。

想像すると本当に辛くなってしまう。

こんな内容だったな、ではなくはっきりと場面が浮かぶ。

眼差しが浮かぶ、海のきらめきが浮かぶ。


8) 『あるノルウェーの大工の日記』

オーレ・トシュテンセン

エックスナレッジ

仕事に対するものの考えた方だけでなく、その姿勢や佇まいがとても好きだ。

本棚にずっと置いておきたい。


9) 『本を贈る』

三輪舎

大好きな本が形になるまで、沢山の手から手へ リレーされる。

それは日常かもしれないが、ふっと目の前の本を眺めるとき思い起こされる。

それってちょっと素敵なことだ。


10) 『ものするひと』

オカヤイヅミ

KADOKAWA 

大きくて悲しいものって?のくだりが好き。

基本静かな物語だけど、不安定で頭を刺激される感じがある。

でもずっと読んでられるような心地よさがある。



もっと読んだことのないジャンルを、古典も新刊もいろんな本を読みたい。深く読みたい。本屋さんにもっともっと行きたい。


来年も本をたくさん読んでいきたい。